銀座きものなかがわの丸洗いは一般的に「京洗い」と呼ばれる方法で、（１）石油溶剤によるドラム洗浄、（２）衿・袖口の皮脂汚れ落とし・染色補正　※1、（３）プレス加工、のすべてを含めております。丸洗いを施すことにより、生地本来の風合いが戻り、とても美しくなります。
※1　皮脂汚れ以外のダメージ（ファンデーション汚れ、シミ等）については丸洗いの他に汚れ落とし・しみ抜き等の加工が必要な場合もございます。

汗抜き（汗シミ落とし）

衿、袖口、脇、胴回り（帯下）など、汗で汚れやすい部分を中心にお手入れします。汗は塩素成分のため、丸洗いだけでは落ちない汚れです。汗を定期的に取り除くことで、黄変シミなどの頑固で落としにくいダメージへ進行するのを防ぐことができます。

汚れ落とし・シミ抜き

油汚れ、過度な皮脂汚れ、口紅、ワイン、血液、尿、水・雨じみ、泥はねなどのダメージを可能な限り取り除きます。専用の薬剤を使って着物のシミ汚れがついた部分の色を漂白して染み抜きした後、色を掛けて元の色と同色に戻していく専門的な作業です。

黄変直し

黄変（おうへん）とは、各種シミ・汚れ・カビ成分が長期間放置されたことにより、生地（ダメージ部分）が酸化し、生地が変色した状態です。黄変した部分を一旦脱色し、色の抜けた部分に着物と同じ色を挿す方法により、ある程度の修復が可能です（完全に元通りにはならない場合もございます）。

柄入れ・柄足し

完全に落し切れない黄変シミ等のダメージに対して、柄を描き足す事で覆い隠す加工方法です。図案（デザイン）の全体調和を保つようプロの技師が加工を行います。

金彩加工（吹雪加工・金箔加工）・染め替え

完全に落し切れないシミ等のダメージに対して、無地部分に全体に吹雪模様・金箔加工を施す事で覆い隠す加工方法です。シミを消す効果だけでなく全体の雰囲気も変えることが出来ます。同様の考え方で、無地部分を違う色に染め替える方法もあります。

刺繍加工

完全に落し切れないシミ等のダメージやほつれ・穴あきに対して、上から刺繍を施すことで覆い隠す加工方法です。ダメージを消す効果だけでなく全体の雰囲気を豪華に変えることが出来ます。

ほつれの修復

仕立て糸のほつれ・ほころびをお直しします。

金箔の修復

金箔部分がはがれたり、欠けたり、擦れてしまったダメージを修復します。

刺繍の修復

引っ掛けたり擦れたりして、刺繍糸が飛び出した、または毛羽立った状態を元に修復します。

撥水加工をおこなうことで、コーヒー・お茶など水性の汚れが染み込まず玉状になってコロコロ流れ、油性の汚れも簡単に拭き取ることができます。基本的には丸巻き（未仕立の反物）の状態で撥水加工を施してからお仕立します。（着用後に撥水加工をかけると見えない汚れを一緒に閉じ込めてしまうことになり、時間経過後にダメージが出ても取り除くことが難しくなるため、注意が必要です。）

お着物への紋入れ（染め抜き紋・摺り込み紋・縫紋）を承ります。ご着用シーンをヒアリングすることで、染め抜き紋・摺り込み紋・縫紋のいずれが最もTPO的にふさわしいか的確なご案内も行います。